【続】幼なじみは俺様王子。
あれ……?
でも、いくつか疑問がある。
「でも最近の楓、家を空けることが多かったよね?」
「ああ、ちょうど近くのコンビニでバイト始めたんだ」
近くのコンビニって……
「さっきのとこ」
あたしの心情を読みとったかのように、楓は言った。
「いつまでも親の仕送りに頼っていらんねぇから」
そう言った楓は、普段より何倍も頼もしく見えた。
「今日もちょうどバイトしてて、その帰りだった」
「そうだったんだ……」
初めて知った。
楓がバイトしていたなんて。
「いずれは話そうと思ってたんだけど、こんな形になって、ごめん」
「ううん。話してくれてありがとう」
だから今日もあたしのところに来てくれたんだ。
そう考えると、胸がジーンと熱くなる。
「楓……ごめんね。それと、ありがとう」
あたしがそう言うと、楓は目元を緩めて優しく微笑んでくれた。