【続】幼なじみは俺様王子。
「俺の方こそ、ごめんな」
優しい楓の言葉に、あたしはブンブンと頭を振った。
でも、よかった……。
こんな風に、また楓と話すことが出来て。
手に持ったコップの底を眺めながら、あたしは安堵の息を吐く。
「……ん? でも、待てよ?」
「えっ?」
何かを考え込むように頬杖をつく楓は、どこかわざとらしい。
「あのコンビニで、水沢と会ってたってことだよな?」
さっきの優しい表情とは一変して、いつもの意地悪な楓に戻った。
「なっ、だからそれは……」
「それは?」
言わなくてもあたしのことを分かっている楓のことだから、今回も承知の上だと思ったのに。
……てか、絶対知っててわざと言ってるよね。これ。
「ペットはご主人様に忠実じゃなきゃな?」
「……ひゃあっ!」
いつの間にか、楓はあたしの目の前まで迫っていた。
意地悪な笑みとともに。