【続】幼なじみは俺様王子。




「お仕置き、かな?」


そうあたしの耳元で囁いて首を傾げる。


「な、なななな……」


久しぶりの攻撃。


刺激が強すぎるよぉおおおお……。


「他の男にホイホイついて行けないように、首輪もつけなきゃな?」


“首輪”と発したと同時に首筋を這う楓の指先。


ビクッとカラダが反応する。



「ちょ、ちょっと……」


逃げるように後ずさりするけど、そんな防御は全く無意味だった。


ジリジリとふたりの距離が縮まっていく。


鼻先と鼻先がぶつかりそうになった。



「………っん」


“待って”と言う間もなく、唇が重なった。


久しぶりの感覚に軽く目眩を起こしそうになる。



雨中の救世主と交わしたキスはコーヒーの苦みとココアの甘さが混じった


なんとも不思議なキスだった。




< 174 / 324 >

この作品をシェア

pagetop