【続】幼なじみは俺様王子。
◆狼、時々、王子様
「……へっ、くしょんっ!」
翌日。
あたしは見事に風邪を引いた。
窓を激しく叩く強い雨は今日も変わらず続いている。
くしゃみと、ほぼ同時に鼻水をすする。
あー……
頭は痛いし、カラダは重いし、完璧熱出たなこりゃ……。
そんなことを思いながら「ピピッ」と音の鳴った体温計を覗くと……
「39.8……」
どうりで苦しいワケだ。
原因はやっぱり、昨日のアレだろう。
ああ、こんなことになるなら、きちんと傘を持って行くべきだった……
なんて後悔しても、時すでに遅し。
あたしは「はぁ」とため息をついて、体温計を力なくベッドから落とした。
やっと楓の仲直り出来たのに、この始末……
一難去ってまた一難ってまさにこの事だよね。
こんな時でも、やっぱり楓はさすがで『お粥作ってあるから。ゆっくり休めよ』なんて心のこもったメールをくれた。