【続】幼なじみは俺様王子。
どうしよう。
どうするべきなんだろう。
一緒にいるようになって愛チャンのいいところをたくさん知った。
だからこそ、“諦めて”なんて言えない。
言えるはずがない。
じゃあ、どうしたらいいの……?
あたしの中でモヤモヤした灰色の渦が巻く。
ぶつけようのないこの気持ちを、放っておくことは出来ないと思った。
「……ひゃあっ!」
おでこにすごく冷たい感覚を覚えた。
な、なになに?
どういうこと?
「なに、変な顔してんだよ。バーカ」
ふと我に戻ると、楓は冷えピタを片手にニヤリと笑みを浮かべていた。
……あ、あの冷たい主は冷えピタか。
「ちょっと、びっくりするじゃない!」
「お前がずっと変な顔してるからだろ」
さっきから、変な顔変な顔って連発しやがって……
あたしは楓と冷えピタを睨んだ。
「そんなことより、腹減ったろ?」
あたしの睨みは軽く受け流されて、楓はさっきの冷えピタをあたしのおでこにピタリとつける。