【続】幼なじみは俺様王子。




ああ。冷たくて気持ちいい……。


やっぱり熱の時には冷えピタが一番よね。


「お粥持ってきたから、食えよ」


そう言って、あたしの目の前にお盆を置いてくれた。


「うわぁ。美味しそう……」


湯気のたつ土鍋には、真っ白なお粥と色とりどりの野菜、少し半熟の卵が美味しそうに飾られている。


野菜粥かぁ。

小学生の頃、風邪を引いた時にお母さんが作ってくれたっけ。


なつかしいなぁ……。


「少しでもいいから栄養取れよ?」


「ありがとう。いただきます」


楓に感謝して、手を合わせからお粥を杓子で掬(すく)う。


今にもとろけそうな卵があたしの食欲をより増進させた。


朝から何も食べていなかった空腹のカラダに、そっとお粥を口に入れる。


食べてとっても驚いた。


「これ、すっごく美味しいっ!」


お粥ってこんなに美味しかったっけ?


楓の作るご飯は全部好きだけど、これはやみつきになりそう……。





< 179 / 324 >

この作品をシェア

pagetop