【続】幼なじみは俺様王子。
ああ。冷たくて気持ちいい……。
やっぱり熱の時には冷えピタが一番よね。
「お粥持ってきたから、食えよ」
そう言って、あたしの目の前にお盆を置いてくれた。
「うわぁ。美味しそう……」
湯気のたつ土鍋には、真っ白なお粥と色とりどりの野菜、少し半熟の卵が美味しそうに飾られている。
野菜粥かぁ。
小学生の頃、風邪を引いた時にお母さんが作ってくれたっけ。
なつかしいなぁ……。
「少しでもいいから栄養取れよ?」
「ありがとう。いただきます」
楓に感謝して、手を合わせからお粥を杓子で掬(すく)う。
今にもとろけそうな卵があたしの食欲をより増進させた。
朝から何も食べていなかった空腹のカラダに、そっとお粥を口に入れる。
食べてとっても驚いた。
「これ、すっごく美味しいっ!」
お粥ってこんなに美味しかったっけ?
楓の作るご飯は全部好きだけど、これはやみつきになりそう……。