【続】幼なじみは俺様王子。




仲良くしたいって気持ちはある。


嫌なことはされたけど、最後に救ってくれたのは愛チャンだった。


――『アンタ達みたいのはね、クズっていうのよ!』


愛チャンはそう言って楓ファンの女の子達からあたしを守ってくれた。


やっぱりこのままだなんて嫌だよ……


キリキリ痛む胸をおさえながら、家路を歩く。


そんなことを考えていたら、あっという間に家の前まで来ていた。


「……お。お帰り」

お母さんの自慢であった家の花壇を手入れしていた楓がこちらを振り返る。


「ただいまぁ」


楓が花の手入れをしている光景も、もう見慣れたものだ。


ホースを取り出して、花壇に水をあげている。


「もう少しで咲くね。ひまわり」


太陽の光で水が反射してひまわりがキラキラと輝いて見える。


それはまるで、希望に満ち溢れた姿で。

見ているこっちまで元気を貰える気がした。


「夏休み頃には花が開くかもしれないな」


そう言う楓の瞳が、ひまわりに劣らぬ輝きであたしは思わず吹き出した。




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