【続】幼なじみは俺様王子。
「で、でも、フライングになっちゃうよ……?」
楓をプレゼントしてもらうのは、あたしの誕生日の時。
今じゃフライングだよ……。
「素直じゃねぇヤツ。俺が欲しいならはっきり言えばいいのに」
……ほら、楓はやっぱり、あたしのことはなんでもお見通しなんだ。
恥ずかしさと嬉しさが同時に込み上げる。
「そ、そんなこと、恥ずかしくて言えないもん……」
楓の目が見られなくて、顔を背けた。
だけど楓の右手によって、そんな照れ隠しもすぐに消えてしまう。
「フライングでもいいじゃねぇか」
楓の手が添えられた頬がじわじわと熱を持つ。
楓の挑発的な笑みが視界いっぱいに広がった。
「穂香が望むなら、何度でもくれてやるよ」
その言葉を最後に、あたしは楓に支配された。
「んっ……」
むさぶるような激しいキスがあたしを襲う。
楓の甘い口づけに、今にもとろけちゃいそうになる。