【続】幼なじみは俺様王子。




「あっ、ごめんなさい」


「いえ。こちらこそ……」


そう言ってその人を見た瞬間、あたしは目を見開いた。


「愛チャン……っ!」


だってそこにいたのは、はちみつ色の髪をポニーテールに束ねた愛チャンだったから。


「穂香っ! どうしてここに?」


彼女もひどく驚いているようだ。


「あたしは、パーティーの買い出しに」


あたしがそう言うと、愛チャンはあたしのかごの中を覗く。


「愛チャンは、どうしてここにいるの?」


「あたしは……」


愛チャンは言いかけると、躊躇したように口を閉じた 。


愛チャンのかごの中を覗く。


そこに入っていたのは、卵や牛乳、生クリームなどケーキの材料となるものばっかりだった。


「……穂香にケーキ作ってあげようと思って」


「えっ?」


あたしに、ケーキを……?


あたしと目が合うと、愛チャンは気まずそうに目を逸らした。








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