【続】幼なじみは俺様王子。
「でも、2人とも残念よねぇ~。楓クンも瀬川クンも早川クンまで離れちゃうなんてぇ…」
ブリブリに語尾を伸ばして言う愛チャンだけれど、全然残念そうに見えない。
むしろ、この状況を楽しんでるよう…。
そう、実は楓とクラスが離れちゃったんだ…。
楓のクラスはC組。
しかも、犬猿の仲の爽までも一緒。
まあ、瀬川クンがいるから安心だけど。
あれから楓との関係は、現在進行形。
相変わらず一つ屋根の下で暮らしています。
「ってかさぁ…愛は本当に好きな人いないわけ?」
眉間にシワを寄せながらあーちゃんは愛チャンの顔を覗き込んだ。
「本当の恋って何なんだろう…」
ハチミツ色の髪をくるくるともてあそびながら、真剣な表情で考え込んだ。
「確かに…」
顎に手を当てて、うーんと考えている2人。
その姿を見て、あたしは思わず笑みをこぼした。