【続】幼なじみは俺様王子。
「あたしは、穂香や楓クンにひどいことした……」
申し訳なさそうに、瞼を伏せる愛チャン。
「だけどふたりは、そんなあたしを許して、優しくしてくれた。その時はたまらなく嬉しかった」
「愛チャン……」
「だけど……」と愛チャンは続ける。
手に持つアイスクリームが溶け始めていた。
「それと同時に、あんなに意地悪なことしちゃったのにって罪悪感でいっぱいになった。ふたりが大好きだからこそ、一緒にいるのが辛いのっ……」
あたしは無意識に、涙を浮かべた愛チャンを抱きしめた。
愛チャンがそんなこと思ってたなんて……。
そんな愛チャンの気持ちに気づくことが出来なかった自分に、無性に腹がたつ。
「愛チャン……そんな気持ちでいたんだね。今まで気づいてあげれなくて本当にごめんね……?」
あたしが背中を撫でると、愛チャンは今までの辛さを吐き出すように泣きじゃくった。
あたしは愛チャンの華奢な体を抱きしめながら、ずっと背中をさすっていた。
こんなに泣きじゃくる愛チャン、始めて見た。
そんなに辛い思いしてたんだね……。
もっと早く気づいてあげればよかった。