【続】幼なじみは俺様王子。
愛チャンの言葉を待つ。
物凄く長い時間のように感じた。
「……あ。あの時ね」
黙って考え込んでいた愛チャンが口を開いた。
ゴクリ。
生唾を飲み込む。
返ってくる言葉が怖い。
こわばるあたしとは裏腹に、愛チャンは陽気な口調で言った。
「あの時、春だったでしょ?」
「は、春?」
確かに、あれは春のことだった。
……だけど、それとなんの関係があるの?
「あたしさ、極度の花粉症なのよねぇ」
えっ? か、花粉症……?
戸惑うあたしに構わず、愛チャンは続ける。
「あの日、周りに杉があって、もう目も鼻も最悪……」
「ちょ、ちょっと待ったっ!」
あたしは愛チャンの言葉を遮った。