【続】幼なじみは俺様王子。

キョトンとした顔で、愛チャンはあたしを見つめる。


「その、つまり、愛チャンが泣いていたのは花粉症のせいってこと？」


「もちろん。それ以外に理由なんてないでしょ？」


そ、そうだったんだ……。


「……あ、それで」


愛チャンはそう言って、ニヤリと悪魔な微笑みを浮かべた。


「穂香は、まだあたしが楓クンのこと好きなのかもって勘違いしちゃったわけね」


あたしは素直に小さく頷いた。


でも、あたしの勘違いだったんだ……。


よかった……。


「安心して？　もう楓クンは友達だし、あたしは穂香を裏切るようなことはしないから」


「愛チャン……」


……嬉しかった。


愛チャンの優しい笑顔に、胸が温かくなった。


「愛チャン、あのねっ……」


愛チャンは、前の一件で、あたし達と一緒にいると罪悪感でいっぱいになって辛いと言っていた。


前はたくさん意地悪されたし、とても傷ついた。


だけど、今は……