【続】幼なじみは俺様王子。
あたしの本当の気持ちを伝えたい。
愛チャンがあたしに打ち明けてくれたように。
意を決して口を開く。
「あたしは、今の愛チャンがとっても大好きだよ? だから罪悪感だなんて思わないで?」
「穂香……」
「今ここにいるのは、前の愛チャンじゃない。あたしの大好きな愛チャンだから」
愛チャンの頬から大粒の涙が溢れた。
「ほ、のか……っ。じゃあ、あたしっ、また、ふたりといてもいいかな……?」
「当たり前だよ! あーちゃんもあたしと同じ気持ちだから」
あたしがそう言うと、愛チャンは涙目で微笑んだ。
――恋の糸が解けた。
絡まった糸を、解くことは出来ないと思った。
もう元に戻ることは出来ないと思った。
でも、恋の糸を解くカギは、こんなにも近くにあった。
近すぎて、見えなかった。
これからは、もう二度と糸が絡まないように、カギを見失わないように。
紡いでいこう。
大切な時間を……。