【続】幼なじみは俺様王子。
あたし達がリビングへ入ると、爽と瀬川クンがリビングをデコレーションし終わって休んでいるところだった。
「うわぁ~! かわいい!」
部屋のいたるところに、色とりどりの折り紙で作った輪っかがつるしてあり、赤やピンクのハート型の風船が天井に浮かんでいる。
”HAPPY BIRTHDAY”とかかれたポスターも、とても男の子が作ったものとは思えないほど上出来だ。
「おぉ。穂香、おかえり」
腕を軽く上げて、あたしに笑顔を向ける爽。
「おつかいお疲れ様」
その隣で瀬川クンも微笑んだ。
「ただいま! これ、すごいね!」
そう言って、かわいくデコレーションされた部屋を見渡す。
「穂香がお買い物に行っている間、ふたりで頑張ってたのよぉ」
あたしの隣であーちゃんが言う。
「そうだったんだ。それにしてもよくこんなに上手に作れたね!」
「まあな」と得意げに笑う爽を横目に、瀬川クンが告げ口した。
「楓も手伝ってくれたんだ。アイツ、器用だから」
なるほど……。
キッチンで料理をしている楓に視線を向ける。