【続】幼なじみは俺様王子。
「そうだよ穂香! あたし達が腕をふるって作るから♪」
なら、お言葉に甘えて……
「そっか。ありがとう!」
あたしはリビングでゆっくりすることにした。
「違うよあーちゃん、小麦粉はこっち」
「えっ、でもそれ、片栗粉ってかいてあるわよ?」
爽と瀬川クンがテレビゲームをやっているのをよそに、あたしはソファーに寝転がりながらあーちゃんと愛チャンのやり取りを見つめる。
どうやら、ふたりは全く料理が出来ないらしい。
あーちゃんがあまり得意でないというのは知っていたけど、ここまで出来ないとは思わなかった。
この様子を見ている限りだと、愛チャンもかなり苦手のようだ。
まあ、あたしも人のことは言えないんだけどね……。
「……お前ら、大丈夫かよ」
楓は料理をしていた手を止めて呆れたように言うと、買い物袋から小麦粉を取り出した。
「さすが王子ね!」
「ホントっ! 楓クンすごぉい!」
感心しているふたりを見て、楓は苦笑いを浮かべた。
「小麦粉くらいわかるだろ……」