【続】幼なじみは俺様王子。
--それから2時間。
煌々と照る太陽が西に傾き始めた夕方6時。
「よし! 出来たぁ!」
雑誌を読んでいたあたしの耳に届いたのは、愛チャンの弾んだ声。
その声であたしはキッチンに視線を向けた。
「うん! 初めてにしては上出来ね!」
粉まみれの顔を拭ったあーちゃんも、満面の笑みを浮かべている。
「こっちも出来たぞ」
楓はそう言って、ダイニングテーブルに次々と料理を運んでいく。
あたしと爽と瀬川クンは、ダイニングテーブルに腰かけた。
「おいしそう……」
あたしは生唾をゴクリと飲みこんだ。
メイン料理はハンバーグのトマト煮込み。
ハンバーグの上にはとろとろのチーズがのっていて、見ているだけで食欲をそそる。
次に出てきたのは、ベーコンと野菜のキッシュ。
パイの中にきのこや野菜がいっぱい入っていて、とってもおいしそう。
その他にもマリネやお豆のサラダなど、お祝い料理に適したおいしそうな料理がたくさん並んだ。
「楓……どうしたら、こんな美味そうなメシが作れんだよ」
いい匂いを漂わせる鮮やかな料理を目の前にして、瀬川クンが感嘆の声を漏らす。