【続】幼なじみは俺様王子。
◆極甘王子と甘い××
ーー時計が11時を回った。
楓もお風呂から上がって、今はふたりで休んでいる。
「今日は本当に最高の1日だった!」
そう言ったあたしに、楓がとびきりの笑顔で微笑んであたしに手を伸ばす。
「よかったな」
そして、あたしの濡れた髪をバスタオルで優しく拭いた。
ーードキッ。
そ、そんな笑顔で、そんなことしないでよぉおおおお……。
楓の行動は心臓に悪い。
それに今日は特に。
今日は、いつもの意地悪な楓じゃない。
楓がとっても優しく感じる。
そんなことを考えながら、黙って髪を拭かれていると、ふと楓の手が止まった。
「……なぁ」
楓の声に、ゆっくりと顔を上げる。