【続】幼なじみは俺様王子。
「楓が……欲しい」
だけど、あたしのその小さな声は、王子様の耳に届いていた。
「よくできました」
そう言って、唇が触れるだけのキスを落とす。
今日は、なんだか特別な気がして、いつも以上にドキドキする。
加速する鼓動をおさえていると、楓があたしの顔を覗き込んだ。
「お前……いつにも増してエロいな」
「へっ?」
え、エロい?
あたし、そんな心当たりないけど……。
微かに照らされたライトの光で、楓の意地悪な顔が見えた。
「その顔、マジでやべぇ……」
あたしの手首を掴む楓の力が強くなる。
「お望み通り、穂香にくれてやるよ」
その言葉とともに、楓はあたしの首元に顔をしずめた。
「あっ……」
首元のあたる楓の柔らかい髪がくすぐったい。