【続】幼なじみは俺様王子。
上品な桜色の着物がよく似合う。
日本人形みたいで、まるで女の子の手本みたいな女の子。
その女の子は、あたし達の存在に気づくと、ペコリとお辞儀をした。
その姿に目を奪われながらも、つられてお辞儀をする。
「申し遅れました。蓁宮椿姫(しんぐう つばき)と申します。この度は『さくら祭り』にご同行頂き、誠にありがとうございます」
礼儀正しい挨拶に、頭がクラクラする。
「……蓁宮? 確かここの神社って『蓁宮神社』よね?」
あーちゃんが顎に手を当てて、不思議そうに首を傾げる。
すると、蓁宮椿姫サンは微笑みながらコクンと頷いた。
何もかもの動作が、上品に感じる。
「はい。こちらは、私の屋敷でございます。『さくら祭り』は、毎年お父様が主催する恒例行事となっています」
その言葉を聞いた瞬間、あたしの思考が停止した。
や、やややや、屋敷!?
こ、こんなに大きい神社が家なの!?
……てことは、この女の子は、お金持ちのお嬢様なんだ……。