【続】幼なじみは俺様王子。
《step☆5》
◆甘いご褒美
窓の外は灰色の曇り空。
9月も終盤に差し掛かり、もうすぐ10月が来ようとしている。
あたしは今にも雨が振りだしそうな空を、頬杖をつきながら見上げた。
ーー夏休みもあっという間に過ぎ、2学期に突入した。
夏休みは充実した日々を過ごした。
あーちゃんと愛チャンと3人で遊園地で遊んだり、
楓と一緒にお祭りや海に行ったりもした。
後は、夏休みの宿題を楓に手伝ってもらったり、家でまったりして過ごした。
高校最後の夏休みは、とても楽しかった。
「穂香~。屋台、どーする?」
夏休みの思い出に浸っていたあたしの元に、愛チャンが紙とペンを持って走ってきた。
「へっ? もう、授業終わったの?」
今は4時間目の授業だったはずだけど……
「なに言ってんの。もう、とっくに授業終わったよ?」
愛チャンは不思議そうに目を丸くして、首を傾げている。