【続】幼なじみは俺様王子。





「あ、そうなんだ。ぼーっとしてたから気づかなかった! それで、屋台がどうしたの?」


そう尋ねたあたしに、「もお、穂香ったら」と困ったように笑った愛チャンが紙を差し出した。


その紙には、校舎と校門を繋ぐ道の簡単な地図が書いてある。


「これ、今年の文化祭の屋台の場所決め。やっぱり、目立つ場所がいいよね」



あ……そうか。


もう文化祭の時期か。


うちの学校の文化祭では、クラスの出し物の他に、各クラス1組選出して、外に屋台を出す。


それで、あたしのクラスでは、あたしとあーちゃんと愛チャンがクレープの屋台を出すことになったんだ。


その屋台の場所決めを、今しているみたい。


「昼休み、クラスで屋台を出す代表者が場所決めのくじ引きをするの」


「今、あーちゃんが行ってるとこなの」と愛チャンは付け足した。


「そっか! うーん。どこがいいかな? ……この辺とか?」


迷った末、あたしは校舎に一番近い場所を指差した。


愛チャンの言う通り、人目に入る場所がいいと思う。


それなら、ここがいいかな?





< 224 / 324 >

この作品をシェア

pagetop