【続】幼なじみは俺様王子。
「よし。一から俺が教えてやるから、よーく聞けよ?」
「は、はいっ! 楓先生!」
そうして、あたしと楓の、奮闘クレープ作りが始まった。
「か、完成ー……っ!」
あれから約2時間が経過した。
楓に教えてもらって、なんとかクレープが完成した。
生地も少し焦げちゃったし、生クリームも上手く盛りつけられなかったけど……
さっきの丸焦げに比べたら、何百倍もマシ。
力尽きたあたしは、ヘナヘナとソファーに倒れ込んだ。
「はぁ……文化祭までにもっと腕を磨かなきゃっ」
「……ん。でも、味はまあまあだぞ?」
あたしの作ったクレープを食べた楓が、エプロンを脱いでキッチンから、戻ってきた。
「本当に!? よかったぁ。……ていうか、それはなに?」
テーブルに置かれた皿に気づいて、あたしは体を起こす。
そこにあったのは、あたしが作ったクレープとは比べ物にならないくらい上手に出来たクレープだった。