【続】幼なじみは俺様王子。
「俺が作ったクレープ」
……なんて、彼は余裕な顔で言ってるけど。
こ、こんなに美味しそうに作れるなんて……。
あたしの作ったクレープと比べて、楓が作ったクレープはキラキラ輝いて見えるよ……。
「頑張ったご褒美」
優しい口調の言葉と同時に、楓の手のひらがあたしの頭の上に乗っかった。
「よく頑張りました」
その手があたしの頭を優しく撫でた。
「楓……」
王子様のように柔らかい楓の笑顔に、胸がキュンと音をたてる。
クレープを一口食べた時、生クリームの甘い味が口中に広がった。
「ん~! これ、すっごく美味し……っ!」
顔を上げた瞬間、楓の唇があたしの唇に触れた。
「……これも、ご褒美な」
そう囁いた後、もう一度あたしにキスを落とす。
それは、甘い生クリーム味のキスだった。