【続】幼なじみは俺様王子。
……でも、楓は何でそんなお嬢様と知り合いなんだろう……。
あたしの知らない2人の関係に、思わず嫉妬心が芽生える。
楓、なんて名前で呼んでるし、相当仲良しなのかな……。
「楓には、駅のホームで助けて頂きました」
蓁宮椿姫サンは、あたしの心を読み取ったかのように、よく透き通る声で続ける。
「助けて頂いたお礼に、宜しければこちらに来ていただこうかと……」
助けた……?
冷酷で無愛想な楓が?
不思議に思って、首を傾げながら考えていると、あたしの変わりにあーちゃんが口を開いた。
「助けて頂いたって、アンタ、なんかあったの?」
あーちゃんのトゲのある言葉にも、平然とした口調で答えた。
「はい。先日、駅のホームで絡まれてしまって……」
楓を見上げながら、僅かに頬を赤く染める。
「その時、楓に助けて頂きました」
楓も少し照れてるように頭の後ろをかきながら
「別に、そんな大したことじゃねぇだろ……」
ボソッと呟いた。