【続】幼なじみは俺様王子。
ーー放課後。
あぁああああ!
なんでこうなるのよ……。
誰もいない放課後の教室で、なぜか掃除をしているあたし。
いや、これにはちゃんとした理由があるんだけど……。
ーー『罰として放課後、教室掃除な』
もおっ、ただちょっとボーっとしてただけなのに厳しすぎるよぉ。
あーちゃんと愛チャンも「頑張って~」なんて呑気に帰っちゃうし……。
「はぁあああ……」
……とっととキレイにして早く帰ろう。
「穂香、ちゃん……?」
そんな時、あたしの名前を呼ぶ声が聞こえて、あたしは声のしたほうへ振り返った。
そこにいたのは、茶色の長い髪をなびかせる可愛い女の子。
見たことない子だな……。
というか、どうしてあたしの名前知ってるの?
もしかして……
「柚月サン……?」
なんとなくだった。
だけど、そんな気がしたんだ。