【続】幼なじみは俺様王子。
「えっ、あたしのこと、知ってるの?」
……やっぱり、柚月サンなんだ。
あたしは、爽から聞いた柚月サンのイメージで、なんとなくこの子が柚月サンだってわかった。
特別可愛いとかキレイとかじゃないけど、なんとも愛嬌があって可愛らしい。
華奢で守ってあげたくなるような、そんな女の子。
「柚月サンのことは、前に爽から聞いて……」
あたしがそう言うと、柚月サンは納得したような表情を浮かべた。
「そうだったんだ。あたしも爽に穂香ちゃんのこと聞いたの」
そうなんだ……。
爽に聞いたから、あたしの名前も知ってたんだ。
「あ、柚月サン。もう体調は大丈夫……?」
柚月サンが転校してくるって聞いてからずっと、柚月サンの体調が気になってた。
「うん!今はすっかりよくなったよ! これからは定期的に病院に行けば大丈夫なの。心配してくれてありがとう」
でも、柚月サンはそんなあたしの心配も吹き飛ばしちゃうくらい満面の笑顔でそう言った。
「そうなんだ! よかったぁ」
そう言って微笑んだあたしを、柚月サンはまっすぐ見つめる。