【続】幼なじみは俺様王子。
「穂香ちゃんにこんなこと言うのはズルいよね……。でも、あたし、止められないの……っ! もうこれ以上辛い想いなんてしたくないっ!」
柚月サンの瞳からポロポロと溢れ出す涙。
楓に対する柚月サンの強い想いが痛いくらいに伝わってきた。
でも……あたしも、きちんと伝えなきゃ。
「柚月サン、ごめんね。あたしも楓が好き。この想いは譲れないの」
今までの弱虫だったあたしは自分の気持ちをはっきり言えずに、多くの人を傷つけてきた。
もう、そんな自分でいたくない。
楓が好きだと、胸を張って言える自分になりたいんだ。
「わかってる。穂香ちゃんの想いなんて、とっくにわかってるよ……」
柚月サンは目に溜まった涙を拭うと、真剣な表情であたしを見つめる。
「……だからね、穂香ちゃんと正々堂々勝負したいの」
「勝負……?」
勝負って、一体何するの?