【続】幼なじみは俺様王子。
「文化祭で行われるグランプリで、どっちが楓に似合う女の子なのか決着をつけたいの」
「ぐ、グランプリ?」
そんなのあったっけ?
首を傾げるあたしの心情を読み取ったのか、柚月サンは続けた。
「今年の文化祭で、女の子が様々な分野で競い合って、誰が真のプリンセスかを決める“プリンセスグランプリ”っていうイベントがあるみたいなの」
「そ、そんなのがあるんだ……」
「それで、優勝者には、学校の王子様からのキスが贈られるの」
「き、キス……?」
……えぇえええええ!!
「き、キスって、つまりその王子様っていうのは……」
楓ってことぉおおお!?
「楓かどうかはまだわからないけど、明日、一番投票が多かった男の子が発表されるの。彼がキスのお相手になるみたい……って、穂香ちゃんは投票しなかったの?」
柚月サンは、不思議そうな表情であたしを見つめる。
あ……そういえば。
先週末、どおりで女の子達が騒がしかったんだ。
王子の投票がどうのって、みんなキャーキャー言ってた。
あたしは柚月サンの一件で、それどころじゃなかった。