【続】幼なじみは俺様王子。
「よぉーし! これで屋台は完成だね!」
愛チャンが手の甲で額を抑えて、「ふぅー」と一息つく。
「あとは、前日に食材の準備をすればOKだね!」
あたしはそう言って愛チャンに微笑んだ。
問題はいろいろあるけど、文化祭楽しみだなぁ。
「……あ」
隣にいたあーちゃんがいきなり声をあげた。
あたしは不思議に思いながら、あーちゃんの視線を追う。
そこにいたのは、楓と瀬川クン、そして……
「……早川クン!」
バツが悪そうな表情で楓達の後ろを歩く爽。
愛チャンは爽の姿を見るなり、爽の元に駆け寄った。
「早川クン! 会いたかったよぉ」
「……俺はお前なんかに会いたくない」
愛チャンに目もくれず、爽は不機嫌そうに言い放った。