【続】幼なじみは俺様王子。
ーー帰り道。
あたしは楓と肩を並べて家路を歩く。
一緒に帰るなんて始めてだから、なんか緊張しちゃうな……。
「穂香」
ドキドキする胸をおさえていると、楓が不意にあたしの名前を呼んだ。
「な、なに?」
楓の柔らかい髪が夕日に照らされてキレイなブラウンを作る。
楓があたしを見下ろした時、視線が重なった。
「柚月と、コンテストに出るんだって?」
「えっ、う、うん……」
予想外の言葉に少し戸惑いながら頷く。
しばらく沈黙が続いた後、楓がゆっくりと口を開いた。