【続】幼なじみは俺様王子。
「お待たせしました。アイスココアです」
それで、家に帰るのもなんか気まずくて、学校のすぐ近くの喫茶店に入ったってワケだ。
「ありがとうございます……って、えっ!?」
アイスココアを受け取って、店員さんにお礼を言おうとした時、あたしは驚いて思わずグラスを落としそうになった。
「な、なんで爽がここにいるの!?」
あたしの視線の先には、
「よぉ、穂香」
白いシャツに、黒のエプロンを身につけた爽の姿があった。
事情を聞いたところ、どうやらここは爽のお母さんが営む喫茶店らしく、爽はお手伝いとしてアルバイトをしているらしい。
ここ、爽のお母さんの喫茶店だったんだ……。
しかも爽が働いてたなんて、びっくり。
「……あら。爽の彼女?」
すると突然、甲高い声が聞こえて、あたしは声のした方を振り返った。