【続】幼なじみは俺様王子。
ーー結局、あれから楓と一言も話さないまま。
珍しく食欲もなくて、夜ご飯も食べず終い。
なんであんなこと言っちゃったんだろう……。
ーー『もういい。……勝手にしろ』
あの瞬間がプレイバックされる。
あの時の楓のどこか悲しそうな顔が目に焼き付いて離れない。
あたし……バカだ。
柚月サンのことが好きだなんて、一ミリでも疑ってしまった。
楓に……あんな顔させてしまった。
引っ掛かる楓の言葉。
『覚えてねぇの?』って、どうゆう意味なんだろう……。
ベットに横たわりながら、ギュッとクッションを抱き締める。
楓は一体、何を考えてるの……?
リビングにいる楓と、部屋にいるあたし。
同じ屋根の下にいるのに、距離がものすごく遠く感じて……。
ついに明日は文化祭。
もう、どうしたらいいの……?
あたしは下唇をギュッと噛み締めた。