【続】幼なじみは俺様王子。






「はーい! たこ焼きどうですかぁ~」


「こっちはお化け屋敷ですよー!」


明るい声を張り上げる生徒。


先生までもがお化けや魔女の仮装をして、文化祭を楽しんでる。


だけど……


「はぁ……」


あたしはちっともそんな気分じゃない。


「ちょっと、穂香っ! 生地焦げてるよっ!」


「……え? あ! ご、ごめんっ!」



ーーついに文化祭当日。


柚月サンのことも楓のことも、結局何も変わらないまま来てしまった。


はぁあああ。

世間は文化祭モードでこんなに盛り上がってるって言うのに、あたしったら一体何してるんだろう……。


あたし達は午前中の店番かかり。

午後は屋台やイベントを回る自由時間だ。


でも……


「そう言えば。穂香、グランプリの時間、午後枠なんでしょ?」


「うん……」


……そうなんだ。


午後はついに、グランプリが行われるんだ。





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