【続】幼なじみは俺様王子。







……そしてもう一つ引っ掛かる言葉。


あたしと柚月サンが戦う必要ないって言った楓。


楓はどんな意図があって、そんなことを言うんだろう……。


恋心は、どこからこんなにすれ違ってしまったんだろう……。



「……あ、穂香」


旧校舎の方を見ながら、愛チャンがあたしを呼ぶ。


「藤宮サン、来たよ?」


次に口を開いたのはあーちゃん。


「えっ……?」


あたしはふたりの視線を辿って、旧校舎の方に目を向ける。


柚月サン……


そこにいたのは紛れもなく柚月サンだった。


どうしてこんなとこに?


そんなことを思ってる間に、柚月サンはだんだんとあたし達に近づいてくる。










< 270 / 324 >

この作品をシェア

pagetop