【続】幼なじみは俺様王子。
……そしてもう一つ引っ掛かる言葉。
あたしと柚月サンが戦う必要ないって言った楓。
楓はどんな意図があって、そんなことを言うんだろう……。
恋心は、どこからこんなにすれ違ってしまったんだろう……。
「……あ、穂香」
旧校舎の方を見ながら、愛チャンがあたしを呼ぶ。
「藤宮サン、来たよ?」
次に口を開いたのはあーちゃん。
「えっ……?」
あたしはふたりの視線を辿って、旧校舎の方に目を向ける。
柚月サン……
そこにいたのは紛れもなく柚月サンだった。
どうしてこんなとこに?
そんなことを思ってる間に、柚月サンはだんだんとあたし達に近づいてくる。