【続】幼なじみは俺様王子。
ーー『爽のことが好きなんだろ?』
だから楓にあんなこと言われちゃうんだ。
あんな顔……させちゃったんだ。
どうしてあたしはいつもこうなんだろう。
楓にばっかり求めてばっかりで、自分はなに一つ変わろうとしてない。
そんな自分が心底イヤになる。
ーー『穂香ちゃんには負けないからっ!』
そう素直に言える柚月サンを不覚にも羨ましいと思ってしまった。
あたしが同じ立場だったら、こんな風に宣戦布告出来たかな?
……ううん。
あたしだったら、そんな勇気もなく、ただ遠くから眺めてるだけだと思う。
柚月サンみたいに、あたしも胸を張って楓が好きだって言える自分になりたい。
今まで何度も思ってきたこと、今ならもっと強く思える。
“俺はずっと穂香を信じてる”
王子様がかけた恋の魔法は、あたしを強くしてくれる。