【続】幼なじみは俺様王子。
「あたしは、穂香ちゃんに絶対負けない。楓は、あたしにとって特別な人だから!」
“特別”
その言葉はあたしの胸にズキッと刺さった。
楓は、あたしだけの“特別”じゃない。
柚月サンにとっても“特別”なんだ。
ーーピンポンパンポーン♪
そんな時、軽やかなチャイムの音が校内に響いた。
『午後1時より、“プリンセスコンテスト”第2部を開催します。参加者および観覧者の皆さんは体育館に集合してください』
生徒会からの校内放送に、あたしたちは顔を見合わせる。
腕時計を覗くと、1時まであと20分もない。
「もう……始まるんだね」
柚月サンが静かに呟く。
「遅れるといけないからあたし、先に体育館に行ってるね。いきなり呼び出したりしてごめんね。穂香ちゃん」
あたしの返事も聞かずにそう言うと、柚月サンは校舎裏から去っていった。