【続】幼なじみは俺様王子。







楓は不敵な笑みを浮かべると、生徒会委員の後に続いてどこかへ行ってしまった。


ポカンとその場に立ち尽くすあたし。


“信じろ”


その言葉は、あたしの胸に甘く広がっていく。


やっぱり……あたしは楓を信じるよ。


そう、決心すると、あたしは再び体育館に向かって歩き出した。









体育館に入ると、そこはすでに多くの人で賑わっていた。


ステージは、ハート型の風船で可愛くデコレーションされていて、
『お姫様は誰!?』と書かれたタイトルがいくつものライトで明るく照らされている。


段々と心臓の鼓動が早くなっていく。



「王子のキスをもらうの、誰なんだろー!?」


近くで女の子達の話し声が聞こえてくる。


あたしは、自然にその会話に耳を傾けた。









< 281 / 324 >

この作品をシェア

pagetop