【続】幼なじみは俺様王子。
楓は不敵な笑みを浮かべると、生徒会委員の後に続いてどこかへ行ってしまった。
ポカンとその場に立ち尽くすあたし。
“信じろ”
その言葉は、あたしの胸に甘く広がっていく。
やっぱり……あたしは楓を信じるよ。
そう、決心すると、あたしは再び体育館に向かって歩き出した。
体育館に入ると、そこはすでに多くの人で賑わっていた。
ステージは、ハート型の風船で可愛くデコレーションされていて、
『お姫様は誰!?』と書かれたタイトルがいくつものライトで明るく照らされている。
段々と心臓の鼓動が早くなっていく。
「王子のキスをもらうの、誰なんだろー!?」
近くで女の子達の話し声が聞こえてくる。
あたしは、自然にその会話に耳を傾けた。