【続】幼なじみは俺様王子。
「やっぱり可愛い子じゃない? 所詮、アピールよりも容姿が重視でしょ」
「あたしもそう思うなぁ。いくら頑張っても可愛い子には勝てないよね」
胸がチクリと痛んだ。
女の子達の会話が、今のあたしと重なった。
やっぱり、あたしじゃ無理なのかな……?
「そう言えば、最近転校してきた藤宮さんもこのコンテストに出場するんでしょー!?」
「王子ともすっごくお似合いだし、優勝は藤宮さんで決まりだね!」
「いいなぁ。羨ましい」
……耳を塞いでしまいたかった。
彼女達が言っていることは、確かに正論で。
そんなこと、とっくにわかってる。
でも、女の子達の会話によって思い知らされた。
『お待たせしました!
只今より、“王子様のキスを貰うお姫様は誰だ!?”コンテストを開催したいと思います!』
リズミカルな音楽と共に、司会者の甲高い声が体育館に響いた。
その声で我に返ったあたしは人混みをかき分けて、ステージ裏へと急いだ。