【続】幼なじみは俺様王子。
ーー『優勝は藤宮さんで決まりだね!』
さっきの女の子達の会話が脳裏をよぎる。
不安ばかりが募っていく。
あたしが優勝なんて不可能に近いことなのかもしれない……。
こんなこと思いたくない。
だけど、心の中ではずっと思っていた。
あたしは120番の場所に並んだ。
「……穂香ちゃん、遅かったね」
「柚月、サン……?」
隣に並ぶ柚月サンが、なぜだか着物を着ている。
「ああ、これ? あたし、得意の華道をアピールしようと思ってて……少しでも雰囲気が出るかなって思って、着物着たんだ」
やっぱり愛チャンの言った通り、柚月サンは華道をアピールするんだ。
悔しいけど……白いお花が沢山散りばめられた桜色の着物は、柚月サンにとっても似合っていた。