【続】幼なじみは俺様王子。
『はいっ! エントリーナンバー……って、あれ?』
司会者が台本とあたしを交互に見て、眉をひそめる。
それとほぼ同時に、観客席側がどよめいた。
「あの子のエントリー番号、120番じゃない?」
「えー、まだそこまで回ってきてなくない?」
「なんなんだろ? これも印象をつけるための作戦とか?」
色んな声が聞こえてくる。
でも、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。
『ちょっと!困ります! エントリー番号順ですからステージ袖に戻ってください!』
司会者の声も無視して、あたしは無我夢中で彼を探す。
キョロキョロと辺りを見回していると、観客席の中央の辺りで爽を見つけた。
爽はあたしを見つめてニコッと笑うと、
『頑張れ!』
辺りがざわついていて、はっきりとは聞こえなかったけど、あたしにはそう応援してくれたように思えた。
ありがとう……爽。
あたしは力強く頷くと、また楓を探した。