【続】幼なじみは俺様王子。







「よーく聞けよ? 一回しか言わねぇからな?」


その言葉にあたしは何度も頷く。


そうして、楓の唇があたしの耳元に近づいてきた。


「俺にとってのお姫様は……穂香だけ」


この世に、こんな魔法のような言葉があるなんて知らなかった。



「……これからも、ずーっとな?」


少し顔を赤くして照れくさそうに俯く楓。


「うん……大好きだよ、楓……」


楓だけのお姫様が、あたしだけなら……

楓にこんなこと出来るのもあたしだけだよね?


あたしは今までの想いをたくさん詰め込んで、思いっきり背伸びをした。


ーーチュッ


そして……楓のほっぺにキスをした。



「だーめ。ここだけじゃ足りない」


そう言って、今度は楓があたしの唇に深いキスを落とす。


甘くて、溶けちゃいそうな、優しいキス……。







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