【続】幼なじみは俺様王子。







たくさん遠回りした。


たくさんすれ違って、ぶつかり合った。


だけど、今なら……


どんなことでも越えて行ける気がする。


弱虫で臆病なあたしがここまで強くなれたのは、


「……穂香、可愛すぎ」


ここにいる王子様のおかげだよ。


「ありがとう。楓……」


あたしに、こんなに幸せな気持ちを教えてくれて。


恋する痛みも悲しみも、


幸せも愛しさも。


全て楓が教えてくれた。


そんな楓に、あたしも少しずつ応えていきたい。


心から楓のことを愛しているから……。



「もう何があっても、絶対離さねぇからな?」


挑発的な言葉とは裏腹に優しく微笑む楓に、笑顔で頷く。


「愛してる。穂香……」


そう言って、あたしを力いっぱい抱き締めた。




ーー王子様の恋の魔法。


時に、胸がキュンと狭くなる。


だけど、こんなにもあたしを強くしてくれる。


愛しい気持ちに、幸せな気持ちにしてくれる。


……不思議な魔法。



そんな王子様の魔法にかけられて、


これから、あたしはもっともっと


楓に溺れちゃいそうです。



              *Fin*













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