【続】幼なじみは俺様王子。
「な、なにが……?」
未だに慣れない、状況に動揺しながらも、平然を装って答える。
でも楓は、まるで見透かしてるかのように、鼻でフッと笑った。
「分かってんだろ?」
楓の言いたいことは、なんとなく分かる。
だけど、あたしが分からないのは……なんでこんな状況に陥っているのか。
……てか、なんであたしいきなり引きずり込まれて、おまけに抱き締められちゃってるのぉおおお!?
頭の中は、半分フリーズ状態だった。
「俺と蓁宮のこと」
“蓁宮”と言う言葉に、あたしの頭の中は静かになった。
だけど、静かにならないのは、胸の鼓動。
これから、なにを言われるのか、予想もつかなくて、あたしの胸の鼓動は早まるばり……。
すると楓は体を離して、あたしをベッドに座らせた。
楓も、同じようにあたしの隣に座る。
「まぁた、どっかのバカが勘違いしてんのかと思ってさ」
……へっ?
どっかのバカって、あたしのこと……?
反論しようと思ったけどあえて反論はしなかった。
楓の表情があまりにも、真剣だったから……。