【続】幼なじみは俺様王子。
楓も、そんな風に思っててくれたんだ………。
言葉にならないくらい嬉しい。
「まぁ、いつ結婚したっていいぞ。お父さんは大賛成だ!」
「そうね♪ でも、ふたりっきりで式あげるなんてやめてよ~? ホームビデオにおさえたいんだからっ」
結婚なんてまだずっと先の話だと思うし……。
今からそんなに話進めなくても……。
「……というか、話始めたら何を言っても無駄だろ」
楓は諦めたように、「ふぅ」と一息ついた。
それもそうかも。
明日になればおさまるだろうし。
そうしてあたし達はひとまず、このマシンガントークが飛び交うリビングから退散することにした。
「あ、ふたりとも。急すぎるけど来週からリフォームの工事が入るからよろしくね~」
もうここまでくると、驚くのにも慣れてしまった。
来週って、いくらなんでも早すぎでしょ……。
陽気な笑い声が、今あたし達のいる楓の部屋まで聞こえてくる。
「久しぶりに会ったと思ったら……」
楓は呆れたようにため息をついた。
「まぁ、それがあの3人だからね」
こんな家族、他にどこ探してもいないよね。
それが当たり前になってるんだから、慣れって怖い。
「あ、ところでさ。楓?」
「ん?」
あたしは、さっき鈴さんが言ってた『お婿さんになる説』のことを楓に尋ねた。