【続】幼なじみは俺様王子。
「あ、俺、今日から3年A組に転校してきた、水沢日向(みずさわ ひなた)って言うんだ」
よろしく、と笑顔を向ける水沢日向クン。
だけど、あたしはその笑顔に返せる程、余裕はなかった。
て、転校生……?
あたしのクラスに?
な、ななな、なんで?
ヤバい、頭が回らなくなってきた。
「ねぇ、遅れちゃうよ?」
「えっ、あ、うん……」
思考停止状態のあたしはいつものように、教室まで超特急で走ることが出来なかった。
ーーガラガラッ
教室を開けると、クラスは一気に静かになって、あたし達に視線が集中する。
「誰!? あの爽やかボーイ」
「超イケメンなんですけどぉ~!」
「なんでウチのクラスにいるのぉ?」
ヒソヒソと話す女の子達の声が聞こえる。
「……ああ! お前、もしかして水沢か?」
先生は少し考えてから、手の平を拳でポンと叩くと、あたし達の方へと近づいてきた。
や、ヤバい!
絶対、怒られる……っ!