【続】幼なじみは俺様王子。
かぁあああああ、と顔が赤くなるのが、自分でも分かる。
「そのセイね」
「な、なにが……?」
あーちゃんはバタンと掃除用具入れを閉めると、探偵のように顎に手を添えた。
で、出た……!
あーちゃん探偵推理ショー再び……っ!
ビクビクしながら、あーちゃんが口を開くのを待つ。
そんなあたしとは裏腹に愛チャンは拍手しながら、その場を盛り上げていた。
「今朝ね、王子と廊下ですれ違った時、穂香のシャンプーの香りがしたの」
あ、あたしのシャンプー……?
……あっ!そうだ!
昨日、確か髪が濡れたまま、楓と寝ちゃったんだ!
だから楓に、香りが付いちゃったんだ……。
あたしの反応に満足そうな笑みを浮かべながら、あーちゃんは続ける。
「それだけじゃ確証出来なかったわ」
「えっ? じ、じゃあ一体どうして……」
あーちゃんが意味深な合図をして愛チャンに頷くと、愛チャンはあーちゃんに警察みたいな敬礼をして、あーちゃんの代わりに口を開いた。