【続】幼なじみは俺様王子。
あたしが楓との夜のことを、顔を火照らしながら話していると。
あーちゃんは、深いため息をついて、あたしに言った。
「アンタ達のラブコメにも興味あるんだけど。あたしが知りたいのは水沢日向との関係なのよ」
やれやれ、と呆れたようにあーちゃんは笑った。
あ、そうだった……。
すっかり話がズレちゃった……。
そして、あたしは水沢日向クンのことを2人に話した。
水沢日向クンの十字架のネックレスを拾ったこと。
今朝、偶然コンビニで会って、ネックレスを返したこと。
バイクに乗せてもらったこと。
全て言い終えた後、愛チャンは雑巾をもったまま、真剣な目つきで考え込んだ。
その姿をあーちゃんと、不思議に思いながら、見つめる。
しばらく考えた後、愛チャンは頭に豆電球を浮かべたみたいな顔をして、勢いよく口を開いた。
「間違いない! 穂香、その十字架のネックレスってもしかして金色だった!?」
愛チャンの勢いのよさに戸惑いながらも、あたしは頷く。