【続】幼なじみは俺様王子。
「結局、何も分からなかったってわけね」
あーちゃんは、哀れな目であたしを見つめた。
「蓁宮椿姫サン、楓になにを話してたんだろう……」
あたしは、うーん、と首を傾げて考え込んだ。
昨日の楓、なにか隠してるように見えたんだよね……。
蓁宮椿姫サンと楓、なにか2人だけの秘密があるのかな?
「あたしもさ」
あーちゃんがゆっくり口を開いた。
言うのを躊躇っているような、少し切なげな表情をしている。
「……ほら、湊斗って女ったらしだったじゃない?」
あーちゃんの問いかけにあたしはコクンと頷いた。
「今は女遊びしてないけど、たまに不安になるのよ」
アイツ、案外モテるからさ
あーちゃんは空元気のまま、そう言うと悲しそうに笑った。
あーちゃん、どうしたんだろう……?
あーちゃんは、あはは、なんて笑いながら俯いてしまった。
たとえニブいあたしにだって、これが作り笑いくらい分かる。
あーちゃん……瀬川クンとなにかあったのかな……?