【続】幼なじみは俺様王子。



あーちゃんのあまりにも悲しそうな表情に胸が押しつぶされそうになった。

「その子……中学の時に付き合ってた湊斗の元カノだった」

……えっ?

瀬川クンの元カノ……?

瀬川クンの元カノなんて数え切れない程居るんじゃないのかな……。

「……その子は、湊斗の女遊びを許してくれてたんだって」

「う、嘘……」

瀬川クンの女遊びを?

彼女なのに、よく許せたな……。

あたしだったら、絶対に許せないや。

「湊斗はその子を傷つけてるのが、辛くなって別れたって言ってたわ……」

「えっ? それ、瀬川クンが言ってたの?」

あたしがそう言うと、あーちゃんは力無く頷いた。

「湊斗に、思い切って、“あの子誰?”って聞いたの。そしたら全部話してくれた……」

「でも……」

すると、あーちゃんの甲高い声があたしの言葉を遮った。

「だけどね、そんな正直に言って欲しくなかった……っ!」

「あーちゃん……」

「ならよっぽど、嘘を……ついて欲しかった」

あーちゃんのすすり泣く声が聞こえる。



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